アルコール依存症 治療 関わり方
ポテトチップスを食べると口から大抵血が出るバラキです。
堅揚げポテトとかはもはや凶器だと思ってます。でも酒のつまみにポテチがあると幸福感が増しますのでこれからも血を流しながらも食べていきます。
という訳で今回はアルコール依存症について解説していきます。
依存症には様々なものがあります。薬物依存・ギャンブル依存・ここ最近ではゲーム依存もWHOが正式に病気として採用しました。
さて、アルコール依存症ですが、皆さんお酒はお好きでしょうか?
私はというとそんなにたくさん飲酒をするタイプではありません。というより弱いのでたくさん飲むことはできないんですよね。
同じようにあまり飲まないという方。安心だと思うのは早計です。
普段あまり飲まないしそんなに好きじゃないという人がアルコール依存症になって苦しい思いをする、そんなこともあるのです。
私も実際そのような方と関わらせていただいた経験があるので間違いないです。
アルコール依存に陥ったYさんのケース
彼はアルコールの分解がうまく出来ないタイプの人で、ほとんど酒を飲んだりすることはありませんでした。
飲み会には他の参加者の足を買って出て飲まなくても良い状況を作っていたほど、飲むことを避けていたぐらいだったのです。
ですが、仕事上でのトラブル・人間関係での悩み・母親の他界、そういった問題が重なってしまい精神的に参ってしまったのです。
うつ状態となった彼は不眠になり、毎日寝られない日々を過ごしていたそうですが、こ酒の力を借りると寝られることに気付いてしまいました。
最初から大量に飲酒することは出来ませんが、飲まないと寝られないようになっていき、毎晩飲んだくれるようになっていったのです。
習慣化していく中で飲む量も増えていき、飲んでいる時だけは嫌なことから逃れられる。このような感覚出てくることはすなわち、すでにアルコール依存は始まっているのです。
アルコールを分解出来るかどうかは遺伝子によって決まります。
NN型 お酒に強い
ND型 少しは飲める
DD型 全然飲めない
このような3つの型があります。
アルコールは鍛えれば強くなってたくさん飲めるようになる、と言いますが、遺伝的には変わることはありません。
ただ、アルコールを分解する工程には2種類あり有名なのがアルコールをアセトアルデヒドに分解するアセトアルデヒド脱水素酵素によるもので、これは遺伝によって決まり変わらないのですが、もう一つがシトクロムという肝臓にある酵素もアルコールの分解に役立っており、それが増えることで分解能力が上がるということもあるようです。
ですので多少飲める人は、飲み続けることで飲酒量が増えていくことは確かにあるのです。
彼はおそらくND型だったのでしょう。
そして飲酒習慣によって多量に飲めるようになっていき、依存症になってしまったのです。
うつが引き金でアルコール依存症になってしまうことは多く、逆にアルコール依存からうつを発病することもあります。
この二つは切っても切れない関係にあるのです。
依存症になったらどうしたら良いの。
減酒・節酒
依存から脱却するためには、酒の量を減らす・節制して飲むことでは意味がないとされており、完全に断酒するより他ないと考えられてきました。
こう聞くことは結構多いでしょう。断酒するしか治療法はないと
ですが最近は飲酒量をコントロールしていく治療も考えられ始めているのです。
アカンプロサートという薬が2013年から日本で使えるようになりました。
従来では抗酒薬といってその薬を飲んで飲酒すると極端に気分が悪くなるというものがありましたが、アカンプロサートは飲みたい欲求そのものを軽減させられる効果があるようです。
まだ一般的ではありませんが、アルコール依存の段階によっては(初期)飲酒量をコントロールする治療で改善させていくことが出来るようになっていくかもしれませんね。
アルコール治療プログラム
今現時点での一般的な治療はやはり、断酒に向けたプログラムの導入をすることです。
精神科の病院ではアルコール治療プログラムが導入されている病院が多くあります。
アルコール依存症の方が急に酒を飲むのを断つと数日後に禁断症状がでます。
手の震えや足のムズムズ感・幻覚や妄想が出現することもあります。
離脱症状が強く出る可能性が高い、大量に毎日飲み続けている人が自分の力だけで断酒するのは避けた方が良いです。
『あれー宇宙からの声が聞こえるーうふふふふ。うっわ足にムカデが大量に這いずり回ってきてる!きっしょ!あかんてまじでやめてきも!!』
っていうような幻覚とか出てきます。
治療がすぐに出来る病院に入院して離脱症状の評価をしてもらうことが望ましいですので、やめようと決心した方、そのご家族の方は一度病院に相談してみるのが良いでしょう。
アルコール治療プログラムの中身。
病院によってやり方は様々でしょうけれど流れとしては大体1〜2ヶ月間の期間で、アルコール依存に関する勉強や運動、軽作業などをしていくことが多いでしょう。そこで心理療法も交えながら今までの生活を振り返る機会を作り、うつ症状の改善も同時に行っていきます。
ここで大事なのは本人だけではなく、家族の存在・関わり方もあります。
アルコールに限らず依存症を克服していくためには周囲のサポートも必要なのです。
ここでもアドラーの心理学や認知行動療法が役に立ってきます。
家族はどうしても本人に酒をやめるよう説得しがちで時には強い口調で責めるような言い方をしてしまうこともあるでしょう。
ですがやめたいと思っている人にやめるよう強く言うのは逆効果です。
本人の辛さややめたい気持ちを認めてあげるような関わりが大切で、あくまでもやめるのは自分自身の問題なのです。
下手に介入しすぎないことも大事なのです。
ここでも課題の分離という考え方が出てきますね。
プログラムを終えるともう辞められると自信を持つ方が多いです。それはもちろん良いことなのですが、そうは簡単に断酒出来る生易しいものではありません。
治療後は
治療が終わり家に帰ると自由に飲めてしまう環境がそこにはあります。
コンビニや酒屋は至る所にありいとも簡単にお酒にありつくことが出来てしまう環境にもどってしまうと、どれだけ強い決心をして断酒していたとしても、ふとしたきっかけから再飲酒してしまうことは多いです。
これは本当に思ったより多いです。
だいたい1年の間にほぼ全ての人、割合でいうと8割ぐらいの方が再飲酒してしまっています。
2年ほど継続出来た人は安定して断酒を続けられているというデータがありますが、それも1割程度しかいないのです。
では治療プログラムは意味がないのか
そんなことはありません。治療プログラムでアルコール依存について学ぶ中で、治療が終わってからも継続して断酒出来ることに役立つ情報も得られます。
アルコール依存で苦しむ仲間たちが定期的に集まる場というものがあります。断酒会やAAといった自助グループです。
治療後も定期的に断酒を続けている仲間と会うことで断酒の決意、モチベーションを維持することに役立つのです。
断酒会
断酒会では参加者たちがそれぞれ自分の依存エピソードや克服するためにしていることなどを共有していき、自分だけではない、みんなも頑張っているんだと感じさせられ断酒の継続に大切なものがそこにはあります。
こういった場に定期的に通うことによって断酒が継続できる方は多いです。
何より仲間と会って話をするのが楽しみになっている人もいます。
人と人との繋がりが依存症の克服には一番大事なことなのかもしれませんね。
お酒を飲むのは楽しいですし、これに変わるのはないというほど人生を満たしてくれるものでもあります。
ですがその反面恐ろしい面も持っているのがお酒です。
お酒に振り回され、のめり込みすぎてしまわないよう気を付けて生活していきましょう。
適度な量で。時には休肝日を設けて、楽しんで飲めるラインを見極めていきたいものですね。
それでは今回はこのぐらいで失礼いたします
アルコール依存症について、でした。