うつうつとした気分 3つの対処法
クリスマスに何の予定もなかった時に無駄にスーツを羽織り、やたら早歩きをしてカップルの間を通りすぎる謎な学生時代を過ごした男、バラキです。
家に帰ってから自分はいったい何がしたかったんだと残念な気持ちになりました。
そんな訳で、今回は鬱々とした気分からの開放をテーマに看護の実際を例に挙げて3つの対処法を紹介していきたいと思います。
「連続ドラマの5話だけ見逃してしまって録画もしていなかった。」
「ぼうけんのしょが消えてなくなりスライムを倒し続けて得られた経験値が無へと帰してしまった。」
「トイレを我慢していて家に帰ってほっとしたと思ったら鍵が開いてなくて絶望してしまった。」
こういったしょうもない事件だって馬鹿には出来ません、きっかけは様々でこんなことからうつ病が始まってしまうこともあるのです。
うつ病が重症化すると治療も難しくなり、再発を繰り返してしまうこともあります。
ぼうけんのしょも何度だって消えてしまうかもしれないのです。
うつに対する知識・対処の方法を身につけることによって病気になる前に予防することが出来るので気分がふさぎ込んで辛い毎日を送る方に向けてぜひご一読いただけたらと思います。
うつを発症してしまう前に・重症化してしまう前に、一緒に乗り越えていきましょう。
うつ病とは
まずはうつ病ってどんな病気なのか簡単に説明していきたいと思います。
ものすごくつらい経験をしたとき、気が滅入ってしまい絶望感でいっぱいになり消えてしまいたいと思うこともあるでしょう。ただ、普通は数日で気持ちを前向きに持っていくことが出来るようになるものです。
今までの人生の中で一番つらい経験をした時のことを思い返してみてください。
そうとうしんどかった記憶が蘇ることでしょう。もう二度とそんな経験はしたくないものですね。その時の辛い気持ちが2週間以上続き、学校や職場に行くこともままならなくなってしまったり、家事や育児がいつものように出来なくなってしまう。食欲が低下していき夜も眠れなくなってしまう。そういった日常生活に支障をきたした状態が長く続いている状態がうつ病ということになります。
発症から入院し、回復するまでの経過
今まで関わってきた患者さんの中から、具体的なエピソードを例として挙げます。
Aさん40代男性
ある時から不眠となりほとんど眠れないような状況が続き、意欲がなくなり家で引きこもりのような生活を送っていました。食欲・意欲が低下し生きることへの希望を失ってしまい死にたいという願望が現れ、以来どうやって死ぬかばかり考えるようになっていってしまいました。
家族に心配されて精神科病院を受診し、入院することになりました。
入院生活を送る中で少しずつ眠れるようになっていき、日中の活動量も増えていきました。2か月の療養生活を送り、死にたいという気持ちも薄れていき退院することとなりました。
看護の実際
まずはAさんがどんな人間なのか、どんな人生を送ってきたのかを捉えていくことが大事です。精神科看護をしていて一番大事なことは、信頼関係を築くことだと思っています。もちろんいきなり根掘り葉掘り情報を引き出すような質問攻めをすることは避けなければなりません。
だから初めからあれこれ聞き出すことはせず、Aさんの興味のあることから雑談をしていきました。Aさんは読書や映画を見るのが好きな方でした。Aさんの読んでいる本や映画について教えてもらったり、私自身が好きな映画を教えたりする中から楽しく話をできるようになっていきました。そうしていくと少しずつAさんのことが分かっていきましたし、子供のころにいじめられた経験があったことや仕事でも人間関係がうまく築けずに退職することもしばしばあったことなど、少しずつ自分の話をし思いを表出することが出来るようにもなっていきました。
今まで人に悩みを話すということはほとんどしたことがなかった彼は、人に伝えること・分かってもらえることによって気持ちが楽になることを知ったそうです。
何が不安なのか・何がつらいのかを整理出来ることにも繋がり、死ななきゃいけない程に抱えている問題はそれほどないことにも気づき、考えれば考えるほどに悪いほう悪いほうへと考えが後ろ向きになっていくことも実感したようでした。Aさんには良いところがたくさんあり、それを自分で認めていけるように配慮して関わっていきました。
このケースから学べる事
1.思いを表出すること
自分が抱えている思いを表現することが大事です。それで問題そのものが解決するわけではないかもしれませんが、少しでも気持ちを楽にすることができます。
気持ちに余裕が出てくると周りが見えるようになっていき、視野が広がることによって今まで見えなかったこと・気づけなかったことに気付くことが出来、解決策が見つかることも多いです。
信頼できる人に話してみる気持ちを表現してみることをお勧めします。
ただ、私もそうだったのですが、人に不安や悩みを伝えるのは抵抗がある方もいるでしょう。そんな方には文字に書き起こしてみることを勧めます。日記に書くでも良いですし、Twitterに呟いてみるでも良いと思います。どんな形であれ表現することが大切で、それだけで少し気が晴れるものです。
解決するわけじゃないし意味がない。と初めから突っぱねないでください。実際やってみるとそれだけで本当に楽になることが出来ると思います。
きれいな文章を書く必要は全くありません。そこらにある紙に書きなぐって即効捨てても良いです。いやな気分をゴミ箱に捨てられたとスッキリする効果もあります。
ぜひ一度お試しください。
2.問題を整理してみる
いくつかの問題が同時に起きている場合、自分の中で何が問題なのか今一つよく分からなくなってしまうことがあります。人間は同時に色々考えたり、行動したりは出来ないように作られています。頭の中に不安要素がいくつもあると脳がパニックを起こしてしまい、訳の分からない漠然とした不安が出てくるものです。こんがらがった頭の中を一度整理してみると良いでしょう。
これも紙に書きだす、ブログに書き出してみるといった方法を取るのがお勧めです。
整理していく中で、今解決できそうな問題、なんともしようがない問題と出てくるともいます。そうするまずは何をすればよいのか優先順位も決まってくるでしょう。そして、今できないことに関してはいったん放置してしまえば良いのです。
簡単に解決できるものから取り組むのも良いと思います。少しずつでも簡単なものを解決していけば残った問題も少なくなっていきます。
それだけでこんがらがった頭の中は整理されて気持ちに余裕が出てきますし、問題を明確にすることで訳の分からない不安は解消することが出来ます。
人は見えないもの恐れるものですから、見える化する作業はとても有効な対処法になるのです。
また、漠然とした不安には問題を明確にしていく中で、特に問題が見当たらないことがしばしばあるものです。そうすると、「あれ、別に具体的に問題は特に見当たらないな」と気づき吹っ切れて楽になることもあるでしょう。
これらが問題を整理してみることのメリットとなります。
3.体を動かす(考えない時間を作る)
とにかく何も考えず、散歩やランニングをしてみること、運動を習慣づけていくことは非常に脳にとって良い影響を与えます。
じっと考えているばかりだとどんどん後ろ向きに考えがいってしまいます。本当に、なんでそんな風に出来ているのかはわかりませんが、人間の脳はネガティブさを強めていくのが得意なんです。
考えないで済む時間を作り出す工夫をしてみることが大切です。自分の好きなことに時間を割いてみるのも良いでしょう。
脳に休息を与えてあげられるように日中でも短時間なら寝てしまうのも良いですし、瞑想を取り入れてみるのも一つです。
以上3つの対処法をお伝えしていきました。
気分を和らげられるように日ごろからこういった工夫をしていくことは安定した精神状態を維持するのに役立ちます。
自分に合った方法だけでも良いのでぜひ取り入れてみてください。
人に勧めてみるのも良いと思います。
それでは今回はここらで失礼します。